日本企業により買収が進むM&A市場

2011年から続いた欧州の債務危機の影響から欧州系の金融機関をはじめとする各社が世界に保有する投資案件や事業案件を手放して換金し本国に資金を戻していくという、いわゆるレパトリエーションがかなり進んでいる。これに伴って日本の金融機関や事業会社がこうした案件に投資したり買収するというケースが大変増えてきている。特に欧州系金融機関は自己資本比率を守るためにこうした換金にかなり積極的に動いてきており、逆に円高で資金を投入しやすい日本企業がこうした領域でM&Aに食指を伸ばすケースが増えている。現状では欧州債務危機も一服感があるが基本的な状況は大きく変わっているわけではないため、こうした動きは当分続きそうである。特にアジアの新興市場については欧州系企業から現地の投資企業を買収するM&A案件はさらに増えるものと見られる。こうした買収は日本企業にとってはインオーガニックに企業規模を短期間で拡大していく大きなチャンスとなっており、収益機会にも大きな影響を及ぼしていくことになるため、注目される。実際の案件は製造業のみならず保健や広告系などにも及んでおり、極めて多岐にわたっているのが最近の特徴であるといえる。

M&Aにおける買収手順

企業買収というと、負のイメージがある人も少なくありませんが、ここ数年、M&Aの件数は増えてきています。これは、M&Aの仲介会社の存在が徐々に知られてきていることもありますが、事業承継の手段として、自分の企業を売却するという選択肢を選ぶ経営者が増えてきたことも1つの要因となっています。基本的な流れを確認しましょう。企業買収を仲介会社に打診すると、候補先の概要を簡単に記載した書類を見て、検討することになります。この書類では、企業名が伏されていますが、ここで関心があるようであれば、相手方と機密保持契約を結ぶことになります。ちなみに、あまりに情報が簡素すぎると買収の検討を始める価値が有るのかどうかという判断すら出来ませんので、どこまでの内容を記載するかは、仲介会社の腕の見せ所とも言えます。この書類で、仲介会社の能力を見極めるのも良いでしょう。機密保持契約を結んだ後は、もっと詳細な情報を手にすることができます。この情報をもらった段階で、M&Aをするのか、するとしていくらで買うのか、買う場合のスキームはどうするのかということを検討します。この段階で、売り手側も興味を示したら、基本合意契約を結ぶことになるのです。